カギは人間が使う道具のなかでも、非常に古い歴史をもつものひとつです。おそらく富の蓄積が行われるようになってすぐに、カギという概念は生まれていたものと思われます。その後人類の歴史ともに進化を続けたカギは複雑化し、より強固で防犯性能の高いものへと変化していきました。それと同時にそれまでのカギをより防犯性能を高め、より使いやすく便利なものへと変化させるため、従来の形状にこだわらない新しいカタチのカギが誕生したのです。これがデジタルキーシステムです。
わたしたちの生活のなかに、徐々にですがデジタルキーシステムが取り入れられてきています。もっともデジタルキーシステムの導入が著しいのは自動車のカギではないでしょうか。スマートキーやキーレスエントリーなどの名前で知られるこれらのシステムは、従来メカニカルキーをカギ穴に差し込んで、ドアの開閉やエンジンの始動を行ってきた自動車システムに革命をもたらしました。いまや自動車のドアにカギを差し込んで開閉した経験のない人も珍しくなくなってきているほどです。
そうした動きは自動車ばかりでなく、一般住宅や企業、事務所などのセキュリティーシステムにも導入されています。これにより、カギの複製による防犯性能の低下や、カギの紛失による交換費用の発生リスクが低減されうると考えられています。
たとえばメカニカルキーは破損のリスクとその修理費用発生がありますが、デジタルキーには、生体認証であればカギ側にそうしたリスクがありません。導入システムコストも技術の進歩とともに低減していくことでしょう。いまはまだアナログ式のカギとの併用が目立ちまずが、近い将来デジタルキーがひとり立ちしていくことは充分に考えられるのです。そうした状況を歓迎する向きは、明確に存在しています。
便利で安全、しかもランニングコストが安いというのが、カギがデジタルに切り替えられていく大きな理由のひとつでしょう。